つれづれ帳

もそもそとしたあれこれ

つれづれといきなりに

ある友人がいる。雑誌編集記者として経験を積んで、いまは企業の広報誌を作っているプロだ。

彼女と、あるアーティストのBBSの大規模オフ会で知り合ったのはもう20年(!)も前になるのだけど、その間に疎遠になったりまた偶然にばったり会ったりして、つまり縁があるとしか言い様がない。

 

先日、感染も落ち着き始めて互いにワクチンを打って5週間経ったから、ということで、ライブ前に散歩をした。人と会うのは本当ににしばらくぶりで、話し方も忘れていたがどうにか人間の形は保っていた。マスク越しでも声の温度に触れるのは新鮮で、世界とまた繋がった気持ちになる。曇りの日に歩く港の見える丘公園は鬱蒼としていて、見える海もガラスのように透けた黒さがある。私はオフコースが好きなもので、歩くだけで「港が見下ろせる 小高い公園」と自然に歌が流れる。互いに近況報告をしあい、彼女は相変わらず会社と家で奮闘していて、私はこの夏に、ネットで、二十年ぶりに署名で記事を書かせて貰ったことをそっと報告した。

すると彼女はにやりと笑って言ったのだ。

「ねえ、楽しかったでしょ。書きなよ」

彼女はnoteを勧めてきたが、個人的にcakesには不信感しかないので、こうして登録だけしておいて私すら存在を忘れていたはてなにまたなにかを書こうと思った。と、そういう理由で、だれも読んでないことを良いことに適当になにかを書いていく。

 

彼女は正しい、私はこの夏、とても楽しかったのだ。